土壌は、水・大気とともに環境の重要な構成要素です。
有害な物質を使用中に、有害物質がこぼれる、
有害物質を含んだ土壌や廃棄物が土の中に
埋められて雨などによって周りの土に移動する。
このような要因で土壌は汚染されます。
土壌汚染調査の対象
有害物質使用特定施設に係る工場や事業場を改変(盛土、掘削等を伴う工事)、
廃止する際には、開業時に特定施設として届出している各市町村(都道府県)へ届け出る事から
調査の対象としての審査が始まります。調査の対象には、大きく分けて以下の4つがあります。
① 土壌汚染対策法
・有害物質使用特定施設に係る工場や事業場を廃止する場合(第3条調査)
・一定規模(3000㎡)以上の土地の改変を届け出た際に「土壌汚染のおそれがある」と
都道府県知事が認めるとき(現に有害物質使用特定施設が設置されて いる工場若しくは
事業場等の敷地等については、900 ㎡)(第4条調査)
・都道府県知事が人の健康に係る被害を未然に防止する必要があると認めた場合(第5条調査)
② 各都道府県条例調査 ・ 各都道府県で定める条例(有害物質使用特定施設の廃止、土地の改変等)
③ 汚染土壌の搬出
・上記①、②及びその他汚染土壌の区域外への搬出
④自主的な調査
・土地所有者等が自主的に実施する場合
土壌調査の主な試験方法
・土壌ガス調査
土壌から蒸発して発生する有害ガスの有無について調査します。
揮発性有機化合物など、「第1種特定有害物質」11項目について行われます。
・含有試験
土壌そのものに含まれ、人体に影響のある有害物質の量を調査します。
重金属などの「第2種特定有害物質」9項目について行われます。
・溶出試験
採取した土壌において、雨などにより溶け出した有害物質が地下水、
河川等に及ぼす影響の有無を調査します。
重金属など「第2種特定有害物質」9項目と
農薬など「第3種特定有害物質」5項目について行われます。
(土壌ガス調査で有害物質が検出された場合はその有害物質も調査します)
土壌汚染調査を実施する過程の中でPHASE 1、PHASE 2、PHASE 3という種類があります。
PHASE 1 資料等調査
土地利用の履歴から、有害物質による
汚染の可能性や範囲を確認します。
また、調査を必要とする有害物質使用特定施設には
工場地帯の他に、病院・クリーニング店・ガソリンスタンド・
研究所/学校・自動車整備工場等があります。
PHASE 2 概況調査
汚染の可能性のある表層土壌の平面分布調査を実施し、
基準に従って汚染の状況を確認・判断します。
【第1種特定有害物質】
汚染のおそれが多い場合は、10m×10m格子に1箇所、
汚染のおそれが少ない場合は30m×30m格子に1箇所をサンプリングし、分析します。
【第2,3種特定有害物質】
汚染のおそれが多い場合は、10m×10m格子に1箇所、
汚染のおそれが少ない場合は30m×30m格子に対して5箇所土壌を採取し、
混合して、1検体として(5地点混合法)分析します。
PHASE 3 詳細調査
表層土壌で環境基準を超過した場合には、隣接する全ての単位区画における分析結果と比べ、
高い濃度が検出された区画にて、深度方向調査(ボーリング)を行い汚染範囲、深度を絞り込みます。